『作戦開始!』
病院でアルツハイマー型の認知症と診断され、母の認知症治療?のスタートです。と言っても、薬を飲むだけですが…。
年寄りを病院に連れて行って、処方された薬を飲んでいないと、医師から「薬を飲まないと意味がない。」的に怒られるのですが、その薬を飲ませることが難しいですよね。😭
私に与えられたミッションは、母にアリセプトD錠1錠を朝食後に飲ませること。わずか1錠、されど1錠です。
ミッション達成に向けた作戦、名付けて「飲んだか見てるで〜え!作戦」のスタートです。
私が最初にしたことは、「お薬ポケット」の購入です。「お薬ポケット」とは、曜日別、朝・昼・夕食別に薬を入れておける壁掛け状のものです。
私の作戦は、「お薬ポケット」の該当するポケットに薬を入れておき、毎朝、薬が無くなっているか確認し、薬が残っていれば飲むように促すと言うものです。
ビタミン○○とは、母が愛用する市販のビタミン剤の名前です。この錠剤さえ飲んでいれば、元気で病気にならないと信じ込んでいます。(実際は、風邪を引いたりしていますが、このビタミン剤の効用は疑わないようです。)
あわれ、私の作戦は、ビタミン○○に、もろくも阻止されたのでした。そもそも、そんな夢のようなサプリメントがあれば、今年の十大ニュース入りでしょう。
『作戦失敗、新たな作戦を決行!』
「飲んだか見てるで〜え!作戦」が失敗に終わったので、新たな作戦を企画しました。名付けて「馬(母)の鼻先にニンジン作戦」です。
母は、何故か甘いスティックパンが大好きです。スティックパンは棒状になったパンで、1本、1本の量はわずかです。1本なら食後にデザート感覚で食べることができます。
まんまと、馬にニンジンを食い逃げされた、いやいや、母にしてやられたものです。これがスティックパンを食べる計画的な犯行なら、認知症どころか頭脳明晰で嬉しい限りなのですが、残念ながら、母の場合、直前にした会話をほとんど覚えておらず、本能のおもむくままの会話なので…。
ということで、「馬(母)の鼻先にニンジン作戦」も失敗に終わりました。
『ミッション終了!(一応?)』
「飲んだか見てるで〜え!作戦」、「馬(母)の鼻先にニンジン作戦」ともども失敗に終わりました。そのため、少し手荒な作戦、名付けて「ビタミン○○すり替え作戦」を決行することとしました。憎っきビタミン○○を隠したのです。
母の物忘れを利用しての作戦で、見事にミッション達成です。憎っきビタミン○○も役に立つものです。嘘も方便ですよね。😉
こうして、毎朝、「ビタミン剤飲まなあかんで。」と声を掛け、お薬ポケットから薬を取り出し、包装を外して母の手に乗せ、コップに入れたお湯を手渡し、飲んだことを確認するのが私の日課となりました。
このように書くと母が毎日、薬を飲んでいるように見えますが、実際は、「今日はビタミン剤いらん。」とか、私に用事があって薬を手渡せない日もあり、薬を飲まないことが多々ありました。気にしない!気にしない!。😙
子どもが小さい頃、嫌いな野菜(ピーマンとか。)を食べさすのに、それとわからないよう小さく刻んでハンバーグに混ぜたりしましたが、ぜひとも、食材に混ぜることができる認知症の薬を製薬会社さんに開発してもらいたいものです。