認知症・病院&介護

   (最終更新日:2018.01.13)

2.母の病院(認知症)デビュー(前編)

『通院を拒否』

話は、母に幻聴が聞こえだす3年前に遡ります。
母の物忘れがひどくなり、転ばぬ先の杖(もう、転びかけていますが。)病院の「物忘れ外来」を受診することとしました。
「物忘れ外来」とは、病院の認知症を見る専門の科(内科とか外科みたいなもの。)です。「物忘れ外来」がある病院をインターネットで調べ、いざ、母を連れていこうとしたのですが、ここで大きな問題が発生しました。

私、元気やから病院に行く必要ないで。

…。

体は元気でも、頭は元気と違うやんか。

夫がいくら説得しても、頑として、病院に行こうとしないのです。また、父も、我関せずでだんまりを決め込み、まったく協力してくれません。

認知症になると、子どもたちに迷惑かけるやろ。

私、ぼけてないから大丈夫や。

母の大好きな孫を使ってもダメでした。
また、受診しておいたほうがいい理由をいくら説明しても、当の本人は、ぼけていないと思っているのか、ぼけ始めていることを自覚するのが嫌なのか、聞く耳を持とうとしません。

そこで、作戦変更です。日をおいてから、

市役所から健康診断のお知らせが来て、年取った人は、一度、病院で診てもらわんとあかんみたいやで。お金もタダやし。

父は年を取ってからお金に細かくなり、お金がかかることは大嫌いなのです。

墓場までお金持っていくんかいな。自分たちのために使ったらいいのに。

どうにか、こうにか、この作戦で、母の病院行きが決定したのですが、私たちが受診を思い立ってから、実現するまで1か月近くがかかりました。

『やっと、通院』

病院に行く日を父、母が忘れないようカレンダーに書き、前日には父、母にそのことを説明(母は覚えていませんが。)し、当日は夫が休みをとり、準備万端だったはずが、またも、母の行かない病が再発したのでした。
家を出る2時間前になっても、起きてこないのです。

そろそろ、起きんと病院、間に合えへんで。

今日は風邪気味やから止めとくわ。明日にするわ。

今日、病院連れていくために休み取ったのに、明日は休まれへんで。

今日は、婆さんが風邪気味やから、病院、また今度にするわ。

あんた(父)は関係ない。子どもの仮病と違うんやから。人を振り回すのもいい加減にして。

いくら心の中でののしっても、母が起きて来なければ、どうしようもありません。おまけに、父も母のかたを持ちだして、この日の受診はキャンセルとなりました。

2週間がたち、再チャレンジしたのですが、前回と同じ結果でした。

また、2週間がたち、再々チャレンジです。
夫もそうそう休みが取れないので、こちらも必死です。前日の夜、父に

お母さんの物忘れがひどくなったら、僕らで面倒見きれへんから、施設に入れるで。そうすると、すごくお金かかるで。そうならへんように、病院で薬もらわなあかんねん。

最後通告のようなものです。「施設に入れる」が効いたのか、「すごくお金がかかる」が効いたのか、はたまた、父の機嫌がよかったのか、病院に行く日の朝、父が母に病院に行こうと誘い、めでたく、母の病院デビューが実現したのでした。

認知症の人は(母は?)、自分がぼけ始めた事実を認めるのが嫌なのか、病院に行こうとしません。そこで、認知症のための受診であることを隠して、市役所から健康診断するように言われているなど、だまして?連れて行くにかぎると思います。「嘘も方便」です。

後編に続く!

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