『通院を拒否』
話は、母に幻聴が聞こえだす3年前に遡ります。
母の物忘れがひどくなり、転ばぬ先の杖(もう、転びかけていますが。)病院の「物忘れ外来」を受診することとしました。
「物忘れ外来」とは、病院の認知症を見る専門の科(内科とか外科みたいなもの。)です。「物忘れ外来」がある病院をインターネットで調べ、いざ、母を連れていこうとしたのですが、ここで大きな問題が発生しました。
夫がいくら説得しても、頑として、病院に行こうとしないのです。また、父も、我関せずでだんまりを決め込み、まったく協力してくれません。
母の大好きな孫を使ってもダメでした。
また、受診しておいたほうがいい理由をいくら説明しても、当の本人は、ぼけていないと思っているのか、ぼけ始めていることを自覚するのが嫌なのか、聞く耳を持とうとしません。
そこで、作戦変更です。日をおいてから、
父は年を取ってからお金に細かくなり、お金がかかることは大嫌いなのです。
どうにか、こうにか、この作戦で、母の病院行きが決定したのですが、私たちが受診を思い立ってから、実現するまで1か月近くがかかりました。
『やっと、通院』
病院に行く日を父、母が忘れないようカレンダーに書き、前日には父、母にそのことを説明(母は覚えていませんが。)し、当日は夫が休みをとり、準備万端だったはずが、またも、母の行かない病が再発したのでした。
家を出る2時間前になっても、起きてこないのです。
いくら心の中でののしっても、母が起きて来なければ、どうしようもありません。おまけに、父も母のかたを持ちだして、この日の受診はキャンセルとなりました。
2週間がたち、再チャレンジしたのですが、前回と同じ結果でした。
また、2週間がたち、再々チャレンジです。
夫もそうそう休みが取れないので、こちらも必死です。前日の夜、父に
最後通告のようなものです。「施設に入れる」が効いたのか、「すごくお金がかかる」が効いたのか、はたまた、父の機嫌がよかったのか、病院に行く日の朝、父が母に病院に行こうと誘い、めでたく、母の病院デビューが実現したのでした。
後編に続く!